XFree86 License Version 1.1

/.jpで、MSNサーチ:XFree86は18禁の記事を読んでて、ふと少し前に話題になっていたライセンス変更の件を思い出した。XFree86 License Version 1.1がnot GPL-compatibleであるという話だが、XFree86チームがそんなことをするだろうかと疑問に思っていた。
んで、改めてXFree86のライセンスについての文書を読んでいたところ以下のような文言を見つけた。つまり、XFree86全体のライセンスはXFree86 License Version 1.1だが、通常Xクライアントから利用される部分であるXlibの部分は特例に当たるっぽい雰囲気の予感だ。もう少し見てみる。

The client-side X libraries distributed with this release (4.4.0), with the exception of the GL, GLU, and GLw libraries, carry a subset of the acceptable licenses that satisfy an additional condition: they are GPL-compatible. The GL, GLU, and GLw libraries contain code covered by the SGI Free Software License B, version 1.1, which is not GPL-compatible.

そして、XFree86 LicenseのFAQに答えがあった。

No.

The 1.1 license is not GPL-compatible which means that the two programs cannot be combined into a larger work _unless_ the authors of both works agree to this arrangement. That does not mean it cannot happen, it just means all parties must agree to it happening. We refer you to the GPL Faq for an in depth discussion of this issue.

To avoid issues with application programs such as KDE and GNOME and other X-based applications, that are licensed under the GPL, the 1.1 licence is not being applied to client side libraries.

"GPLの元にライセンスされているKDEGNOME、他のXベースアプリケーションのようなアプリケーションプログラムで問題にならないように、1.1ライセンスはクライアント側のライブラリには適用されていない。"
つまり、クライアント側のライブラリはXFree86 License Version 1.0のままだということっぽい。ここに書かれていることに依れば、通常XFree86に依存する、Xlibを利用しているプログラムはXFree86 License Version 1.0によってGPL compatibleであるからまず問題にならない。
そして、クライアントライブラリを超えた範疇でXを利用するGPLなプログラムに関してはXFree86とリンクすることを許可するっていう特例をつければいい、ということ。しかし、特例を追加するのはGPLでそのアプリケーションをリリースした著作者(他人のcontribute/modificationを含む場合はそれらの著作者も?)にしかできないことなので、この範囲で問題が起きる可能性があるが、これは許容範囲ではないかと考えるし、そういうアプリケーションが重要な場合のみXFree86 License Version 1.1が適用されているバージョンを利用しないという選択をするというのもありかもしれない。
XFree86は、俺のようなLinuxをデスクトップ用途メインで利用している人間にとっては非常に重要度の高いソフトウェアである。多様なビデオデバイスへのアクセスはXFree86に完全に依っている。そして、freedesktop.orgのxserverプロジェクトがXFree86とcomparableになるまではXFree86への依存から離れることはできないと思う。
ビデオカードは次々新しい物が出てくるわけで、ディストリビューションに含まれるXFree86のバージョンを4.3.xでとめてしまうというのは、現実的でないように思う。通常の利用の範囲ではライセンス上の問題がでないだろうことは前述したとおりであるから、Fedora CoreではXFree86 4.4が使いたいなあと言うのがホンネ。
確かに、DFSG FreeではないのでDebianでxserver-xfree86-4.4.xをnon-freeに入れざるを得ないのは問題であるし、DebianRed Hatが「その姿勢自体」への反抗としてXFree86 4.4.xを採用しないのかも知れないけど…。